こんにちは。まなびのステーション アドバイザーのたかやまです。
本日は、皆さんが一度は耳にしたことがあるはずの、「待機児童」という言葉。
これを取り巻く問題について見ていきたいと思います。
皆さんの中では、お子様に通わせたい小学校の学区を意識して、住まいを探すご家庭が多いのではないかと思います。
お子様の年齢によっては、小学校よりもっと前の段階、預ける保育施設をきちんと確保できるのか、ということも、住まい探しをする際の重要な関心事の1つです。
住むエリア、つまり行政・自治体によって、この保育施設のキャパシティが変わってくる可能性があるからです。
さて、待機児童について何がどう問題なのか、おさらいしてみたいと思います。
まず、待機児童とは、 「保育の必要性の認定がされた子どもが、保育施設へ利用の申し込みを行っているにもかかわらず、利用ができていない未就学児」のことを指します。
共働き世帯が増えたことや、保育士不足といった状況を背景に待機児童の数が増えて、社会問題化したものを、ひとえに“待機児童問題”と言っています。
厚生労働省が発表しているデータによれば、直近20年間の待機児童数は、約2万人にのぼっており、直近はこの水準を前後する形で推移しています。
社会問題化したということもあって、各行政もこの解消に力を入れてまして、保育施設の数を増やしたり、保育士の待遇を改善したりと手を打ってきているので、待機児童の数は減少傾向にあるようです。
実際に全国47都道府県に所在する行政・自治体のうち、約80%においては待機児童はゼロ、と謳われています。
しかしながら、こうした行政が発表する待機児童数には、トリックが実はあるんです。
本来カウントされるべき待機児童の数がカウントされていないんです。これは、隠れ待機児童と言われています。
こうした隠れ待機児童が生じているのは、具体的には次のようなケースです。
①認可保育園に申し込んだ児童がその園に入園できなくても、認可外保育園に入園できたため、待機児童としてカウントされていないケース
②兄妹同じ保育園に入りたい、家から近い保育園に入りたい、など特定の保育園に行きたい希望がある場合、待機児童としてカウントされないことがあるケース
③お子様を保育園に預けられない状態で、親が育休を延長した場合や、求職活動ができない状態にあるといった場合等のケース
そもそも、行政・自治体によって待機児童にカウントにする・しないの判断が変わってくるということに一番の課題があるように思います。
厚生労働省が発表している待機児童の数は約2万と言いましたが、この隠れ待機児童は、どのくらいいると思いますか? その数、6万以上と言われています。
正式に公表されている待機児童の3倍以上です。
ここまでくると本当にこの6万という数字でカウントが足りているか、正直わからないですよね。
実は、東京都内23区の半分以上、12の区が待機児童ゼロを宣言しています。
カウントのルールは適宜見直されていて、それによって待機児童の数一気に数字が減ったり、ゼロに見せかけることができるようになっていることも課題の一つだと思っています。
もしお住まいを探す際に、〇〇区は待機児童ゼロだからとそのエリアでの物件探しを検討してみようという場合、実態としては、待機児童はゼロではないことがあります。
住んでみたものの、子どもは希望の保育園に入れないことがあり得るんです。
今回お伝えしたかったことは、各行政・自治体が打ち出している待機児童ゼロ、というアピールをそのまま鵜呑みにしてはいけないということです。
お察しのとおり、この待機児童の問題については、事態全容を把握することは難しいかと思います。
保育園の倍率については、是非行こうと考えている保育園にまずは聞いてみてください。
住まい探しが終わった後、引っ越した後の「あれ、そんなはずじゃなかった・・・」という事態は少なくとも防げるでしょうし、善後策の準備も図れるのかなと。
また、この待機児童の問題の動向に引き続き関心を持って、注視していただきたいとも思っています。
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参考動画:#16待機児童ゼロは嘘!?本当は怖い待機児童問題【教育 × 不動産】 https://www.manabi-station.jp/blog/blogvideo/advisor80-3/